旅行のための英会話満載!
【新連載】 Enjoy Communication! クルーズ英会話

第9回 パブリックスペースでの会話(1)

渡辺節子(SHE(エスエイチイー)代表取締役、神田外語大学講師)

 渡辺さんが、講師を務める文京女子短大の学生と一緒に制作した料理のレシピ集「Stone Soup」が反響を呼んでいる。カニの茶碗蒸しから梅干しまで、221種類の料理を英語、ローマ字、日本語で書き表したもの。料理は万国共通の楽しみ。これを基に外国の人々とコミュニケーションを図ってみては。  希望者は2,380円(送料込み)の郵便為替を同封し、「〒272千葉県市川市北国分2-28-8 渡辺節子宛」まで。


newsletter1 船内の行事はnewsletterに掲載されます。必ず出席しなければならない行事に、emergency boat drill(緊急避難訓練、1があります。船内放送がありますが、聞き取れなくても大丈夫! closetにあるlife jacketを着て、他の船客と同じ行動をとればいいのです。英米人、オランダ人、ドイツ人などプロテスタントでアングロサクソン系の人々は、きちんと指示に従い時間を守りますが、イタリア人やギリシャ人などカソリックでラテン系の人々は、よく言えばおおらか、悪く言えばいい加減です。
 イタリアやギリシャの船では、集合時間に集まる人は半分もいません。指示を聞いても無視するのか、聞いていないのかよく判りません。とにかく右へ習えということはないのです。少々の事はNo Problem!の一言で片付けてしまうのです。こうなると時間を厳守した自分がヤボに思えてきます。様々な国籍の船に乗ってみると、こんな時にも、文化の違いを実感します。外国旅行を楽しむ秘訣は、このような異文化に和して同ぜずということでしょうか。

 Dress Code for This evening(宵の装い、2)は、casual(Tシャツ、 ジーンズ、ショートパンツ不可)、informal(上着着用)、formal(ダークスーツ、あるいはタキシード)と日替わりですが、自分なりに楽しく装いましょう。私は自分よりも人の装いを楽しんでしまう方で、自分の衣装にはあまり凝らないのですが、人は人、我は我でいられるのも外国船のよさです。素敵な衣装の方がおられたら、具体的に誉めましょう。

You look very nice in red. 「赤がよくお似合いですね」 look very nice in の後に色だの洋服だを入れれば良いのです。 You look very nice in kimono.「着物がよくお似合いですね」

newsletter2 Admiral's Loungeで、Welcome Aboard Icebreaker Party(ウエルカムパーティー、3)に出てみましょう。No Reserved Seats(4)と書いてあれば、席の予約はいりません。混んでいてやむなく他人と同じテーブルに着くときは、 Is this seat taken?「この席にどなたかいらっしゃいますか?」と声をかけましょう。
No. と返ってきたら、
May I sit here?「ここに座ってもよろしいですか?」と聞いて、
Yes, please.「はい、どうぞ」
 と返事をされてから座りましょう。そこで自己紹介して、相手と場合によっては会話が弾むでしょう。向こうがprivacyを楽しんでいるようだったら、必要以上に話かけない方がいいでしょう。よく外国人に言われるのですが、日本人は自分の事は一切話さないで、相手のprivacy(結婚しているか、年令、職業、家庭等々)を聞きたがるらしいのです。前回にも書きましたが、privateなことは避けて、もし聞きたいならまず自分の事を紹介してから相手の事を聞きましょう。
I am Setsuko Watanabe. I am from Tokyo. How about you? 「私は渡辺節子です。東京出身ですが、あなたは?」
 間違っても初めから不躾に、
What's your name? Where are you from? How old are you? Are you married? How many children do you have? What's your job?
 あなたは誰? 何処から来たの? 幾つ? 結婚してる? 子供何人? 仕事は何? なんて聞かないことです。日本語ではこんな無礼なものの言い方をされない人が、英語になると意図しなくても拙い言語能力のせいで、子供のようにtoo direct(率直すぎる)になってしまうのです。お互いに気をつけましょう。

 Sorry, but my husband will sit here. 「ごめんなさい、夫が来るんです」 なんて言われることもありますね。
そんなときでも立ち去る前に、
I see. That's nice.「そうですか、それはよろしいですね」
と言えるくらいの余裕がほしいですね。

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