ニュージーランド

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ニュージーランドのウォーク - ミルフォードトラック


2.初夏の花咲き乱れるクリントン渓谷

今回は、初夏の12月中旬を選んだ。

2日目は、渓谷沿い、ブナの森、湿原で、花鳥を見ながら、ゆっくり16km歩く日だ。
朝食後に、サンドイッチとおやつを持ち、三々五々小屋をでる。昼食は、途中の小屋で暖かいスープやお茶等とともにとる。
ここで、いたずら鳥ケアにサンドイッチをさらわれた仲間もいた。

クリントン川で釣り
クリントン川で釣り
Copyright1999 Setsuko Watanabe


空青く、山は雪を頂き、鳥囀り、花が咲きこぼれ、澄んだクリントン渓流では、フライフィッシングの楽しむ人もいて、大きなますが悠々と泳いでいた。
原産の花々は、マウントクックリリー、マウントクックデイジー等どれも、白か黄色で、小さく楚々としている。
何万年も前の氷河の深淵のように、深みのある清冽な色だ。
花の種類により、微妙に色合い、風合いが違う。
紺碧の空、木々の深緑にうっすら染まったような白もある。

マウントクックリリー
マウントクックリリー
Copyright1999 Setsuko Watanabe
ニュージーランドは、蝶は稀少で、蛾が多い。
風が強い短い日中に、蛾が飛んで受粉する:だから太陽の反射の一番強い目立つ白と黄色の花だけを選ぶ:というサバイバル本能が何千年も続き、白と黄の花のみになったという説がある。

次の山小屋につくと、アフタヌーンティーが待ち受けていた。清潔な4人部屋で荷をとき、洗濯、シャワーを浴びて一休み。
夕食は、ワインとボリュームのある食事で、デザートも何種類もある。暖炉の燃えるラウンジで、談笑したり、カードをしたり、外で星をみたりで過ごす。 10時消灯が日課だ。

ウオークを一日に48名、11月から3月末と制限していても、外来者についてくる卵、種子などで、生態が徐々に変わってくる。4つ足が生息しない地に、外来の大きなネズミが、原産の木の根や虫等を食べ荒らす。
低地に蔓延る黄色のえにしだ、赤、青のルピナスも、英国生まれの招かれざる客だ。近頃は、日本のレンゲや、タンポポも蔓延っている。
透明な渓流も早晩濁ってしまうと4年前にガイドが言っていたが、幸いにも水はまだきれいだった。

これだけ商業ベースに乗ったウオークでは、変化は仕方ないのだろう。
なにしろ百年の歴史を刻んだウオークである。

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「ミルフォード」

Copyright1999 Setsuko Watanabe


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