みんなで持ち寄り旅のスケッチ

発展途上国バングラデシュを訪ねて!

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フレッド戸川

今回のツアーで印象的であった事の一つ、高知県の女性元学校教師が2年前スタデーツアーに参加この国の識字教育状況を見て心を打たれたこと、ダッカから南のカパシア村を訪れた際村の長老から『台風の度に吹き飛ぶ学校の屋根を5回も私財を投げ売って直した、何回でも直す』との話しを聞いて感激、現地指導者アルバリ氏からバングラデシュの発展は教育にこそあると純真で一途な心にも深い感動を覚えたこと、もう一つ彼女の今は亡き子供好きの弟さんの「優しさ」をこの国の子供たちに広げたいと考え、弟さん名義で校舎を建てることを決意、退職金の中から資金を提供その建設をエンゼル協会に委託、今回フェニ県の村の高等学校内に立派な洋風校舎を完成させた。

この開校式に寄贈者と同協会関係者と共に参加する機会を得た。我々の車が学校にさしかかったとき沿道両側に学校生徒たちが並び次々に日本語で<イラッシャイマセ>の大合唱会場に座った日本人全員の首に花輪が掛けられる。寄贈者の挨拶には『家族愛人間愛を持った人になるよう、明るく元気に歓声の響く学校に、そして大きくなったらバングラデシュのリーダーとなって活躍する事を期待しています』と。
新教室入り口でテープカット、生徒たちが入室どの子も喜びの顔と顔、子らに囲まれた彼女の輝いた顔を今も忘れることが出来ない。彼女と弟さんの名前はプレートに彫り込まれ校舎外壁に貼られている。この学校が有る限りこの村に日本人の名前は永久に残る。別の日、彼女は日本から持ってきた紙芝居をコナバリ村滞在中スタッフの通訳のもと孤児たちに見せ、又フォークダンスを指導、一時の楽しみを作り出した。

各方面の見学を終え滞在最後の夜はエンゼル協会講堂にて孤児たち先生たち関係者とのお別れ会、民族衣装を着けた女児たちの踊り、男児の伝統的踊り、日本語による『幸せなら手を叩こう』他ベンガル語の歌をオルガンのような楽器に合わせ歌ってくれた。日本人訪問者側もマジック、ハンドベル演奏など行い国を越えた人の交流の素晴らしさを感じたひと時であった。お別れ会が終わった後ジャハンギール君15才は彼が絵の具で描いた村の風景画を私に差し出した。

今回僅かな期間ではあったが村の人々が懸命に働く姿を見て胸を打たれ、国際ボランテア活動の素晴らしさをも実感『私に出来る国際協力とは何か』を考えさせられた感動のツアーになったと思っている。この国の抱える問題は多い、人口増対策、産業の振興、地方の教育施設と医療施設の充実等このへの国際協力が望まれるところである。

了 

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<リンク集>
バングラデシュの地図
  http://members.nbci.com/jbangla/map.html
筆者ホームページ(海外旅行写真館)http://member.nifty.ne.jp/togworld/
NGO国際エンゼル協会ホームページ http://www.angel-ngo.gr.jp/
首都ダッカ風景 http://www4.famille.ne.jp/~kwood/dhaka/d-htm/dhaka.htm
バングラデシュの風俗、文化、習慣 http://members.nbci.com/jbangla/cul.html