みんなで持ち寄り旅のスケッチ

発展途上国バングラデシュを訪ねて!

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フレッド戸川

ダッカ市内は人口密集地、貧富様々な人たちが住んでいる。市内の一角はスラム化が進み失業者が多い。道路片側にはテント状の低い小屋が何百米も続き電気のない暗い路上で炊事する姿は貧しさの象徴のようであった。主要道路の道幅は広いが夥しいリキシャ(力車=原型は日本から持ち込まれた3輪式、人力車と動力車があり後部座席に人や物を乗せて運ぶ)が道幅一杯になって走る。我々を乗せたワゴン車も接触防止とところ構わず横断する歩行者に注意しながら警笛を鳴らしながらの運転であった。バスは殆どが超満員屋上にまで人が乗り風を切って走るなど日常茶飯事、車が信号待ちで停車すると窓を叩いてお金をせがむ人たちが来て複雑な気持ちになったが無視する事に決める。

農村は緑一色、水田、ジュート、サトウキビ、バナナ畑が続き所々に茅葺き屋根の小さな家が点在、郷愁をさそうのどかな風景である、農村にもリキシャが走り幅広い道には屋上に人を乗せた満員バスが走る。子供たちの殆どはハダシ、明るい顔で走り回っている。暑い日,田舎道を走っていた我々の車がパンク、タイヤ交換中,村の子供が集まって作業を見守っている、中にはヤカンに水を入れて持って来た、汗だくで作業していた運転手に飲んでもらおうと持ってきたものであった。
コナバリ村の小さな診療所を訪れた。建物はNGOが建設し村に寄贈、医師はボランテア、週1回の巡回診療、見たところ医療設備は机と患者が座る椅子のみ医師は聴診器一つで診察、薬はNGOが無料提供、廊下では受付の女性が患者名簿に何かを記入している。患者の負担は一人5TK(15円)支払えない人には無償、赤ちゃんを抱えた婦人が心配顔で40〜50人程の大人子供と共に順番待ちをしていた。

ダッカから北120kmジャマルプル県の村では茅葺き屋根、風が通るように竹で編んだ壁の薄暗い20畳ほどの小屋に50人の女性が床に座ってノクシカタ刺繍の作業を行っていた、近くの小屋では女性が古い器具を使って糸紬をしていた、貧困から抜け出すための手仕事のよう。村の織物工場では染料の入った熱いかまどの両側で女性が刺繍糸の染色作業に汗を流していた。

ダッカから50Kmナルシグデ県の村では女性たちがグラミンバンクから資金(1000円〜10,000円)を借り織物機等を購入、糸つぐみから織物の事業をトタン屋根の家で小規模に営む、1ヤード織って25円1日30ヤードで約700円になる。借金で乳牛1〜2頭とか養鶏、山羊の飼育を行う人もいる。織物の作業環境は決して良いとは言えないが生活レベル向上や子供の教育のためと言っていた。
(グラミンバンクは貧困者層を対象に無担保で資金を貸し出す銀行、貸し出す相手の94%が女性、グループ制の共同責任、週毎の返済が特徴、男性より女性の方が辛抱強く働くこと、男性は夜逃げする事もあり信用度の点で貸し出しは主に女性が対象。農村活性化の一助になっている。)

つづく

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<リンク集>
バングラデシュの地図
  http://members.nbci.com/jbangla/map.html
筆者ホームページ(海外旅行写真館)http://member.nifty.ne.jp/togworld/
NGO国際エンゼル協会ホームページ http://www.angel-ngo.gr.jp/
首都ダッカ風景 http://www4.famille.ne.jp/~kwood/dhaka/d-htm/dhaka.htm
バングラデシュの風俗、文化、習慣 http://members.nbci.com/jbangla/cul.html