旅行のための英会話満載!
【新連載】 Enjoy Communication! クルーズ英会話

第12回 下船に際して (2)

渡辺節子(SHE(エスエイチイー)代表取締役、神田外語大学講師)

 日本に帰ってからthank you letter (お礼の手紙)を書きたいとおっしゃる方は、上手に書こう、誰かに書いてもらおうなんて考えないほうがよいでしょう。人の書いた美文なんて空疎なものです。延び延びになり、ついにはやめたということにもなります。帰りの空港でdrugstoreやbookstoreに寄り、HallmarkのThank You Cardを買うのです。それにサインをして、写真でも挟んで、迅速に送るほうがスマートです。日本製のきれいなThank You Cardや絵葉書も喜ばれます。言葉は数多く入りません。でもまちがっても誕生日(birthday)や結婚お祝い(wedding)、ましてや、お悔み(sympathy)のカードなどを買ったりしないでくださいね!

 当日朝はcheck outです。船内では買い物、飲み物、optional tour、写真代、美容院など一切cashlessで、船独自のカード、あるいは船室番号とサインのみで済みます。船旅の楽しさ、気楽さの大きな要因となるのが、このcashless制度です。貴重品は乗船時にしまってしまうか預けてしまい、身一つでクルーズを満喫できるのです。ただしその都度手渡されるレシート(receipt)はきちんと取っておきます。check outの当日の早朝、船室にfinal bill(請求書)が配られますので、レシートと照合します。cashier(会計)で支払を済ませればcheck out終了です。遅くなるとcashierが混みあいますので、朝食前にcheck outを済ませることです。bill中に納得のいかない箇所があったら、印を付けて置いてレシートを見せて聞きましょう。

What is this figure for? I don't understand.
「この数字は何ですか。理解できないのですが」
This is for the drinks you had at Harbour Bar last night.
「Harbour Barで昨夜お飲みになった飲み物代です」
I see. I understand . Thank you.
「判りました。有難う」
 あるいは、
I don't think I drank that much. Would you check? This is the receipt.

「そんなに飲んだとは思えません。これがレシートです。調べてください」
 などの会話になります。船内ではレシートさえきちんと取って置けば、間違いはすぐ正してくれます。問題は、むしろサインする時点にあります。数字をしっかり確認することです。日本人は、現金だと、一円まできちんと勘定するのに、billの数字はよく確認もしないで無頓着にサインしがちです。 気を付けましょう。

さて、いよいよお馴染みになった船客とのお別れです。
Good-bye. Have a nice trip back home. 
「さよなら。お帰りの旅も楽しくご無事でありますように!」
The same to you.「あなたもどうぞご無事で」  と口々に言い合って別れます。

世界各国の「ありがとう」が印刷された Thank You Card

 6回に渡り、外国船での旅を中心としたcommunicationについて書いてみました。
要はverbal(言語のよる)communicationは、たかだか10〜30%で、その他の90〜70%はnon-verbal(言葉でない、eye contact=目言葉、gesture=身振りなどのbody language)communicationなのです。ご自分の英語力を嘆く前に、自信を持ってその他の手段や小道具(折り紙、絵葉書、日本文化を紹介するものなど)、機転、ウィットで、外国人とのcommunicationを楽しんでみてください。そしてよい智恵がありましたら、どうぞCruise誌上で私たちにも分けて(share)ください。
 では御愛読有難うございました。 Good Luck and Von Voyage! 「御幸運とよい旅立ちをお祈りして!」

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